試行系列の作成
心理実験では上記のように実験条件が設定され、それに基づいて各試行で呈示される刺激が操作されます。今回の場合、刺激種類(b or d)と回転角度(0〜300°)が毎試行ランダムに変化するわけですが、これを試行系列として設定する必要があります。試行系列はExcelファイルで簡単に作成することができます。
試行系列のファイルは一行目の見出しとして設定する変数名を入力し、2行目から実際にPsychoPyの中で参照する値を入力していくだけのシンプルなものです。変数名は実験内の他のコンポーネントなどの名前と重複していると正常に動かない原因になりますので、注意してください。例えば、こんな感じになります。
刺激種類(2)×回転角度(6)の12通りの課題種類がすべて並べられる形になります。三列目の「corrAns」という変数には、正しい反応キーが入力されています。今回の実験では毎試行での反応のフィードバックを行う予定ですので、この情報が必要になります。フィードバックしない場合でも、これを設定しておくと結果ファイルに正誤があらかじめ入った状態で出力されるので便利です。
このファイルは「trialSequence.xlsx」などと名前をつけて実験の実行ファイルmentalRotation.psyexpと同じフォルダに保存します。
ループの設定
つぎに先ほどの保存した試行系列ファイルを読み込むために、ループの設定をします。ループは画面下のFlowから設定します。”Insert Loop”の部分をクリックして、Trialルーチンの前後をクリックすると設定画面が現れます。
現れた設定画面の”conditionsFile”から先ほど保存したファイルを指定すると、ファイルから試行条件が読み込まれます。正しく読み込まれれば、”12 conditions, with 3 parameter”と表示がでて、こちらの意図したとおりにファイルが解釈されていることが分かるはずです。
ここで重要なのはnRepsとloopTypeです。nRepsは12通りの試行条件を何度繰り返すかを入力します。例えば、ここで10という値を入れると12通り×10回繰繰り返しで、総試行数が120試行になります。今のところは、5回のままで構いません。
loopTypeにはRandom, Sequential, fullRandom, staircase, interleaved staircaseの5種類があります。後ろの二つは階段法を用いた実験に使用しますので、ここでは説明を省きます。普段使うのはRandomで、これは例えばA, B, Cという2つの試行条件を3回繰り返した場合、[B A C][B C A][A B C]という風に繰り返しごとに3条件をランダマイズしてくれるものです。Sequentialはランダマイズせずに[A B C][A B C][A B C]と同じ順序で繰り返す設定です。最後のFullRandomは、条件の繰り返しを気にせずに[B B C][A C C][A B B]という風に完全にランダムに条件を選び出す設定です。