日本基礎心理学会第38回大会で「文脈手がかりは視覚探索処理の初期段階を促進する」というタイトルでポスター発表を行いました(小林穂波)

M1の小林です。12/1に神戸大学で開催された日本基礎心理学会第38回大会で研究発表をしました。

【研究内容】

視覚探索課題で空間配置を繰り返して呈示すると学習が起こり、探索が促進される、という文脈手がかり効果について研究をしています。文脈手がかり効果は非常によく知られた効果ですが、この効果によって視覚探索課題における初期段階の処理(探索を開始してから標的を見つけるまで)が促進されるかどうか、については議論が続いています。本研究ではSAT課題と呼ばれる正答率を指標とする課題を用いて、文脈手がかり効果による促進の経時変化を検証しました。さらに、この経時変化をベイズ階層モデリングの手法を用いて、数理的に表現することを試みました。
今回の研究で、文脈手がかり効果による促進は、探索画面が呈示されてから少ししか時間が経過していないときでも正答率にあらわれることがわかりました。このことは、視覚探索課題に関わる処理のうち、初期段階が促進されていることを示唆しています。

【感想】

自分がこれまでやってきたなかで一番好きな研究なので、尊敬する先輩たちが多くいらっしゃっていた基礎心理学会で発表できてほんとうにうれしかったです。今後の展開に期待している、とコメントをいただいたので、努力を怠らずに実験を続けていきたいと考えています。

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