RESEARCH QUESTIONS

これまでの研究と、現在取り組んでいる問い。

このページでは、Ogwlab が公刊論文で確かめたこと、卒業論文を含めて現在取り組んでいること、そこから続く問いを分けて紹介します。

RESEARCH MAP

研究全体の見取り図から、個別の問いへ。

環境の中で何を見るかは、それまでの経験や現在の目的によって変わります。得られた情報は対象の評価や選択に使われ、その経験が次の探索や判断にも残ります。

研究全体の概念図は「研究」ページにまとめています。このページでは、三つの研究方向について、実験から分かったことと現在の問いを詳しく示します。

THEORETICAL CONTEXT

研究を位置づける三つの考え方

理論名を掲げるためではなく、Ogwlabの実験がどの説明を区別しようとしているかを示します。
01

注意は、現在の目標と刺激の目立ちやすさだけで決まらない

注意研究では、現在の目標、刺激の物理的な目立ちやすさ、過去の選択履歴(selection history)が、何を優先して見るかを一緒に形づくると考えられています。Ogwlabの文脈手がかり効果(contextual cueing)、統計的規則性、視覚採餌課題(visual foraging)の研究は、とくに経験した配置や選択が次の探索方略へ残る過程を扱います。

Awh, Belopolsky, & Theeuwes (2012); Anderson et al. (2021)
02

顔の評価には、共有される傾向と見る人による違いがある

顔から受ける評価には、信頼性や好ましさに関わる共有された傾向がある一方、見る人と顔の組み合わせによる違いも大きいことが指摘されています。Ogwlabでは、顔画像だけでなく、人物について学んだ情報や視線の文脈が、評価、情報取得、識別のどこに作用するかを分けて調べます。

Todorov, Oh, Uddenberg, & Albohn (2025)
03

処理しやすさが何を意味するかは、経験と状況で変わる

見慣れている、予測できる、処理しやすいといった経験は、対象を評価し選ぶときの手がかりになります。ただし、処理しやすい対象が常に好まれるわけではありません。その感覚が何の手がかりとして学習され、どの判断に使われるかによって、効果は変わり得ます。Ogwlabでは、見る経験が評価や選択へ移る条件を調べます。

Unkelbach (2006); Lee & Labroo (2004)
01

LEARNED REGULARITIES

経験した規則性は、次の探索と評価に残る。

繰り返し現れる視覚配置と探索対象を複数の実験画面に見立てた編集イラスト
EDITORIAL IMAGE / NOT RESEARCH DATA

視覚環境の中に繰り返し現れる規則性は、その後の探索を助けます。Ogwlabでは、その効果が単に「見慣れたから」生じるのか、探索のどの時点から現れるのか、環境を経験した順序によって変わるのかを調べてきました。

予測可能な配置を学習した実験では、その配置に対する探索が速くなり、配置そのものへの選好も高くなりました。繰り返し見たことや、探索が容易だったことだけでは、この選好を十分に説明できませんでした。

別の研究では、学習済みの配置が探索を助ける効果が、探索過程の比較的早い段階から現れることを示しました。また視覚的な採餌課題では、同じ環境を経験していても、その環境を経験した順序によって後の選択方略が異なることを示しました。

02

INFORMATION ABOUT PEOPLE

顔そのもの以外の情報が、顔の評価と識別に入る。

人物の顔、視線の先、周囲の情報の組み合わせを表した編集イラスト
EDITORIAL IMAGE / NOT RESEARCH DATA

顔から受ける印象は、顔画像の特徴だけで決まるとは限りません。その人物が何を見たか、どのような行動と結びついていたかといった情報も、その後の評価や識別に影響します。

ある実験では、ポジティブな対象へ視線を向けた人物は、ネガティブな対象へ視線を向けた人物よりも信頼できると評価されました。この差は、人物の視線と対象との対応が成立する条件で現れました。

別の実験では、人物について事前に学習した情報が、混雑した視野での判断と、その顔を識別する成績に異なる形で影響しました。人物への評価が変わることと、顔の知覚や識別が変わることは、同じ結果として扱えません。

03

PERCEPTUAL EXPERIENCE AND CHOICE

見る経験は、対象の評価と選択へどう移るか。

実験で商品を繰り返し見た経験と、その後の評価・選択を二段階で表した編集イラスト
EDITORIAL IMAGE / NOT RESEARCH DATA

対象を見つけやすいこと、次に現れるものを予測できること、ある対象へ視線を向けることは、その対象に対する後の評価や選択と結びつくことがあります。しかし、処理しやすさ、見た時間、選んだという行為は互いに関連するため、どの経験が評価を変えたのかを分けて調べる必要があります。

予測可能な視覚配置を学習する実験では、探索が速くなっただけでなく、その配置に対する選好も高くなりました。この結果は、同じ配置を繰り返し見たことや、探索が容易だったことだけでは十分に説明できませんでした。

卒業論文を含む現在の研究では、視線と選好、処理のしやすさ、複数の感覚情報の対応、経験による態度形成を扱っています。これらはすべて公刊済みの結果というわけではありません。どの処理経験が評価の手がかりになり、その効果が判断の文脈や学習履歴によっていつ変わるのかを検討している段階です。

CURRENT DIRECTIONS

現在の三つの方向。

公刊論文だけでなく、卒業論文・学位論文として実際に取り組んでいる研究も含めています。
公刊研究・卒業論文を継続中

顔の社会的評価と印象形成

顔の特徴、人物について学んだ情報、視線の文脈が、評価、情報取得、識別へどう作用するかを調べます。

公刊研究・卒業論文を継続中

統計的規則性の学習と注意制御

経験した配置、選択、報酬、環境の変化が、その後の注意と探索方略へどう残るかを調べます。

卒業論文を含めて展開中

知覚経験と消費者心理

予測、処理のしやすさ、視線、感覚間の対応、態度の学習が、対象の評価と選択へつながる条件を調べます。

HOW WE STUDY

問いに合わせて、測るものを選ぶ。

Ogwlabでは、反応時間や正答率を用いる行動実験、眼球運動の測定、学習履歴や呈示条件の操作を組み合わせます。視覚的採餌の研究では、行動データを理論上の最適方略と比較する数理的な方法も用いてきました。

方法を先に決めるのではなく、複数の説明を区別するために何を操作し、何を測る必要があるかを研究ごとに考えます。

WHERE NEW WORK CAN BEGIN

新しいテーマを、既存の三分類へ無理に当てはめない。

三つの方向は、現在の研究を説明するための整理です。知覚、注意、学習、人物認知、評価、選択の接点にあり、実験によって問いを具体化できる研究であれば、これまでの知見や方法とどこで接続できるかを一緒に検討します。